「そろそろ外壁塗装をしたい」
外壁塗装を検討されている場合、最初に考えるのは費用のことになるかと思います。
10〜15年に一度は外壁塗装が必要になり、普通の一軒家であっても100万円前後の費用がかかります。
この記事では、建物の大きさ別にかかる外壁塗装の費用相場を解説していきます。
外壁塗装は、一律の料金が決まっておらず、建物の構造や塗装の工事内容によって大きく価格も変わってきます。
・見積りの見方、業者を選ぶポイント
・なるべく安く外壁塗装をする方法
目次
外壁塗装の費用相場を解説

まずは、外壁塗装の費用相場から解説していきます。
外壁塗装は塗装面積で価格が決まる
外壁塗装の価格は、塗装面積で決まります。
塗装面積は、建物全体の外壁面積から、窓などの塗装をしない部分を引いた部分になります。
建物ごとに正確な数字は変わってしまう為、今回は簡易的に計算で塗装面積を算出させていただきます。
計算方法など覚える必要はありませんが、あなたのお家の坪数から大まかな塗装面積を理解しておかないと、塗装業者から提案された見積書が適切なものかどうかの判断が出来なくなってしまう恐れがあります。
なので、だいたいで良いので数字感を把握できていれば問題ありません。
簡易的に算出した坪数ごとの塗装面積は、下記のようになります。
坪数 | 延床面積 | 塗装面積 |
10坪 | 33㎡ | 36〜43㎡ |
20坪 | 66㎡ | 73〜86㎡ |
30坪 | 99㎡ | 109〜129㎡ |
40坪 | 132㎡ | 145〜172㎡ |
50坪 | 165㎡ | 181〜215㎡ |
60坪 | 198㎡ | 218〜257㎡ |
70坪 | 231㎡ | 254〜300㎡ |
80坪 | 264㎡ | 290〜343㎡ |
90坪 | 297㎡ | 327〜386㎡ |
100坪 | 330㎡ | 363〜472㎡ |
参考までに、計算方法は以下の通りになります。
延床面積=坪数×3.3㎡
(述床面積とは、建物各階の床面積の合計になります。2階建ての家なら、1階と2階の床面積の合計になります。)
塗装面積=延床面積×塗装係数
塗装面積は、延床面積に塗装係数を掛けることで算出することができます。
(塗装係数とは、実際に塗装する部分を算出する為の係数で、外壁であれば1.1〜1.3程度。外壁の凹凸の形状によって異なる。)
一般的には、塗装係数1.2で計算することが主流になっています。
なので30坪の建物であれば99㎡×1.2=118.8㎡ということになります。
外壁塗装 坪数ごとの費用相場(坪単価)
続いて、坪数別の外壁塗装の費用の目安になります。
坪数 | 塗装面積 | 費用相場 |
10坪 | 36〜43㎡ | 20〜40万円 |
20坪 | 73〜86㎡ | 40〜70万円 |
30坪 | 109〜129㎡ | 70〜120万円 |
40坪 | 145〜172㎡ | 80〜140万円 |
50坪 | 181〜215㎡ | 100〜160万円 |
60坪 | 218〜257㎡ | 120〜180万円 |
70坪 | 254〜300㎡ | 150〜240万円 |
80坪 | 290〜343㎡ | 180〜280万円 |
90坪 | 327〜386㎡ | 200〜300万円 |
100坪 | 363〜472㎡ | 230〜350万円 |
費用の相場感に大きく幅があると感じたかもしれません。
価格に差がつく要因として、外壁の種類によって塗装面積が変わるため塗料の消費量が建物ごとに異なる点、塗料の種類やグレードで単価が大きく異なる点、外壁の劣化状況に応じて補修などが必要になる為、どうしても価格には開きが出てしまいます。
ただ、余程のことがない限りこの金額から逸脱することはありませんので、参考にしていただければと思います。
ちなみに、屋根の塗装は含んでいませんので、屋根の塗装も合わせて行う場合は別途屋根の塗装料金が加算されます。
30坪の建物で、+30〜40万円を見込んでいただければ大きく外れることはないかと思います。
外壁塗装 費用の内訳

ここからは、外壁塗装にかかる費用の内訳について詳しく解説していきます。
外壁塗装の主な費用の内訳は下記の通りとなります。
・塗料代
・足場代
・材料費
・人件費
・その他の運営費など
外壁塗装に使う塗料の種類で価格が変わる
外壁塗装に使われる主な塗料と施工単価は以下の通りになります。
塗料の種類 | 耐久年数 | 塗料代(1㎡あたり) |
アクリル系塗料 | 5〜8年 | 1,000〜1,800円 |
ウレタン系塗料 | 7〜10年 | 1,500〜2,500円 |
シリコン系塗料 | 10〜15年 | 1,800〜3,000円 |
フッ素系塗料 | 12〜20年 | 3,000〜5,000円 |
ラジカル制御型塗料 | 12〜16年 | 3,000〜4,000円 |
無機塗料 | 15〜25年 | 3,000〜6,000円 |
断熱塗料/遮熱塗料 | 15〜20年 | 5,000〜6,000円 |
塗料の選び方
上記の塗料別の単価を見ていただくと、種類によって大きく値段が異なることがわかるかと思います。
塗料は種類によって値段が大きく変わりますが、耐用年数も変わってきます。
その為、安いものを選べば良いと言うものでもありません。
安いものは、耐用年数も短めなので、その分何回も外壁塗装をしなければならなくなります。
そうすると、一生涯でのトータルの工事費用は高くついてしまいますので注意が必要です。
最も一般的なものはシリコン系の塗料になり、10〜15年は耐久性がありますので少なくともシリコン系の塗料を選ぶことをオススメします。
もちろん、高額なフッ素系塗料や無機塗料を選びますと、20年前後の耐久性になりますので、トータルで考えるとコストパフォーマンスが良いものとなります。
足場の設置にかかる金額相場
外壁塗装を行う場合、仮説の足場の設置は必須になります。
足場は、職人の作業場の確保や安全を確保する役割だけでなく、飛散防止ネットを張ることによって塗料の飛散を防ぐ役割があります。
足場の費用は、下記の計算式で算出されています。
足場の費用=足場の面積(外壁面積×1.3)×単価
足場代の単価は1㎡あたり600〜1,000円が相場になっています。
1.3倍している理由は、足場は建物を囲うように設置される為、ゆとりを持った大きさで見積もられている為です。
工事費(材料費+人件費)の金額相場
外壁塗装をするには、材料費と人件費を合わせて下記の費用もかかってきます。
・高圧洗浄費用 100〜300円/㎡
塗装前の外壁を洗浄する為の費用です。
・飛散防止ネット貼り費用 100〜300円/㎡
塗料の飛散を防ぐ為、建物全体をネットで覆います。
・養生費 300〜400円/㎡
玄関、サッシ、窓など、塗料の付着を防ぎたい箇所を保護する為の作業になります。
・シーリング補強
打ち替え 900〜1,500円/㎡
増し打ち 500〜1,000円/㎡
外壁の隙間やひび割れなどの劣化した部分の補修作業になります。
・下地補修 1,500〜2,500円/㎡
劣化がひどい場合は、補修費用がもっと高額になることもあります。
そのほかに、現場管理費や廃材処理費用としてそれぞれ3万円前後の費用が項目として加算されます。
外壁塗装の費用総額の目安
外壁塗装の費用総額の目安は下記の通りになります。
ここでは一般的な2階建ての戸建て(30坪)の建物を塗装する場合の計算をしています。
塗料はシリコン系を選択し、標準的な3回塗りを前提としています。
容 | 面積 | 単価 | 合計費用 |
下塗り(塗料+施工代金) | 118.8㎡ | 800円/㎡ | 95,040円 |
中塗り(塗料+施工代金) | 118.8㎡ | 2,500円/㎡ | 297,000円 |
上塗り(塗料+施工代金) | 118.8㎡ | 2,500円/㎡ | 297,000円 |
足場代 | 118.8㎡ | 800円/㎡ | 95,040円 |
高圧洗浄代 | 118.8㎡ | 200/㎡ | 23,760円 |
養生代 | 118.8㎡ | 300/㎡ | 35,640円 |
飛散防止ネット代 | 118.8㎡ | 200/㎡ | 23,760円 |
シーリング代(増し打ち) | 118.8㎡ | 700/㎡ | 83,160円 |
廃材処理費 | 一式 | 30,000円 | 30,000円 |
合計 | - | - | 980,400円 |
見積りはより細かく作業内容や塗りの回数、使う塗料の名称などがしっかり記載されているものが好ましいです。
「一式」など不明確な記載が多い見積りや、数十万単位での大きな割引がされているような見積りには注意が必要です。
外壁塗装に合わせて屋根塗装もする方が総合的には安くなる
建物の屋根も外壁と同じく劣化していきますので、外壁塗装と同じ頻度で塗装を行う必要があります。
屋根塗装と外壁塗装を分けて行うと、足場設置などの費用が都度かかってしまいますので、外壁塗装と合わせて屋根の塗装も一緒に行う方が結果的に節約につながります。
屋根塗装も追加で行う場合、約20〜40万円程度の金額が上乗せされてきます。
外壁塗装をする業者の選び方

ここでは、外壁塗装をお願いする業者の選び方について解説します。
訪問営業、電話営業をする業者を選ばない
訪問営業や電話営業をしてくる業者にはお願いをしない方が良いです。
訪問営業をする業者は、無作為に外壁の劣化の進んでいる家に突撃して営業をします。
「キャンペーン中なので大きく割引できます」
「足場代を無料にさせていただきます」
などと「本日契約してくれたら!」のような条件をつけて契約を迫ってくることでしょう。
数十万円単位で割引をしてくるような業者は、そもそもの金額を割増で見積もっている可能性があります。
足場代を無料にして契約を迫ってくる業者もいますが、
足場の設置は、通常塗装業者では行わず、塗装業者も足場専門店に外注をしています。
その為、足場の設置代を塗装業者が持ってくれるはずなどありえないのです。
他社との金額の比較もできないので、大きく割引提示された見積書が適性な価格なのかわからないで契約をすることになります。
電話営業に関しても同じことが言えます。
そもそもあなたのお家を見もしないで突然知らない業者から電話がかかってくること事態が不自然であると感じなければなりません。
訪問営業同様に、キャンペーンや割引といった謳い文句で高額な工事を契約させられる可能性がある為、断ることが賢明な判断になります。
値引きを売りにしている業者を選ばない
上記の例と内容が重複する部分もありますが、こちらから問い合わせをした業者であっても、大きな割引などを条件に契約を迫ってくる業者は存在します。
外壁塗装は、材料代や足場代などの相場はほぼ決まっていますし、職人の技術力が高いほど高くなるのは当然のことです。
なので、数十万円単位での割引をしてしまうと業者の利益はまったくなくなってしまいます。
見積書の端数をサービスしてくれる程度は良いですが、大きな割引がされている場合、割引後の価格も相場より割高な見積りであると認識された方が良いです。
見積りの内容が雑、一式表記の多い業者を選ばない
見積りが雑な業者は、どこにいくらかかっているのかが不明確な為、選ばない方が良いです。
具体的には、塗装の回数、方法が明記されていない、使う塗料の種類、量が「一式」などの表示になっているものなどです。
塗料の種類がわからないと、実際には見積りよりもグレードの低い塗料を使われる可能性もありますし、量がの記載がないと薄めて使われてしまう可能性もあります。
全体的に「一式」表示の多い見積りも、なににいくら必要なのかがわからないので、そういう見積りを提出された場合には、業者に見積りの修正を依頼すべきです。
見積りの修正を断られるようでしたら、その業者には注文をしない方が賢明です。
対応が不誠実な業者を選ばない
下打合せや見積り段階で対応が雑であったり、不誠実な業者は工事も雑である可能性があるので、話をしてみて違和感を感じたらその業者への注文は回避することをオススメします。
嫌な思いを最初にすると、最後までその印象のまま終わる可能性が高いです。
外壁塗装を安くする方法

ここからは、外壁塗装を安くする方法を解説します。
複数社の見積もりから適正金額を知る
外壁塗装の見積りは複数社から取ることをオススメします。
理由は、複数の会社から見積りを出してもらえば自分の家の適正価格がわかるからです。
また、上記に挙げたようなダメな見積り(割引が多い、一式表示が多い)と丁寧な見積りとの違いもわかってきます。
ただ、あまりにたくさんの業者に見積りを依頼すると、その後の対応も大変になってしまいますので、3社程度にお願いするのが良いかと思います。
その中で良い業者が見つかれば良いですし、見つからなければ先に取得した見積りと比較しながらもう1〜2社追加で見積りをお願いしてみれば誠実な業者が見つかる可能性がグッと上がります。
注意したいのでは、他社で取得した見積りを元に値切り交渉をするのは辞めた方が良いです。
理由は、誠実な業者ほど適切な金額を提示してきます。
それに対して、「A社は○○円でしたよ」というようなことを言ってしまうと、価格を下げる為に必要な部材や人員を削減しなければならなくなります。
そうなると工事の質が下がってしまい、せっかく良い業者に出会ったのに低品質な施工になる可能性が出てきます。
少しでも安くしたい気持ちはわかりますが、値切り交渉はほどほどにした方が良いです。
ハウスメーカーなどの大手に頼まない
誰もが知るような大手のハウスメーカーや量販店へ依頼すると割高になる可能性が高くなります。
理由は、受注を受けているハウスメーカーも、施工自体は下請け業者へ依頼をします。
つまり、中抜きをされているということになりますので、当然相場よりも高い金額を提示されている可能性が高いのです。
助成金を活用する
外壁塗装は、自治体ごとに助成金や補助金を設定している地域があります。
「住宅リフォーム助成」や「省エネ住宅改修補助」などがあります。
ご自身でお住まいの自治体のホームページで確認してみても良いですし、見積りを依頼する業者に聞いてみても良いと思います。
自治体や工事内容にもよりますが、20〜30万円程度の助成金が出ることもありますので、積極的に活用されると良いです。
火災保険の対象になることも!
台風の通過や大雨、大雪などのあった地域であれば、火災保険が活用できることもあります。
火災保険は、火災以外にも自然災害でも補償され、被害があれば何度でも使えて保険料金が高くなることもありません。
屋根まわりの修繕となれば100万円前後の給付を受け取れる可能性もありますので、一度確認されてみると良いと思います。
外壁塗装の支払い方法

最後に、外壁塗装の支払い方法を解説します。
近年では、現金払い以外にもクレジットカードやローンに対応している業者も増えていますので、無理のない支払い方法が検討できます。
現金払い
現金払いは、大きく3つの支払い方法があります。
一括後払い
最も主流なものは、工事完了後に一括で支払う方法です。
工事後の出来栄えを確認した上での支払いになりますので、安心して支払いをすることができます。
分割払い
まずは、施工前と施工後に2回に分けて支払う方法です。
施工前に半分着手金を払うことによって、依頼主は施工前に全額払って業者に逃げられたりするリスクを抑えられますし、業者は材料費などに充てることもできるので双方にメリットがあります。
施工前、途中、施工後の3回に分けて支払う方法もあります。
ただし、3回払いは大規模な工事でなければしてされることはありませんので、通常の一軒家であればこの方法になることはありません。
一括先払い
通常、施工前に全額を一括で請求してくる業者はありません。
もし、前払いで全額を要求してくるような業者は、代金を持ち逃げするリスクがありますので十分に注意をしてください。
クレジットカード
近年はクレジットカードで決済を可能にしている業者も増えています。
クレジットカードを使えばカードを使った分割払いも可能になりますし、ポイントを貯めることができるメリットもあります。
ローン
外壁塗装は、100万円前後の工事費用が必要になりますので、一括で用意することが難しい場合もあるかと思います。
その場合は、ローンを組んで外壁塗装をすることを検討されても良いかもしれません。
住宅ローンを利用されているなら、現在の借入先に相談すれば、リフォームローンと住宅ローンをセットにした借り換えができることもあります。
塗装業者でも、提携ローンなどを紹介してくれることもありますので、支払いに関しても柔軟に検討してみたはいかがでしょうか。
【まとめ】外壁塗装の費用相場

この記事では、建物の坪数ごとの外壁塗装の費用相場について解説してきました。
坪数 | 塗装面積 | 費用相場 |
10坪 | 36〜43㎡ | 20〜40万円 |
20坪 | 73〜86㎡ | 40〜70万円 |
30坪 | 109〜129㎡ | 70〜120万円 |
40坪 | 145〜172㎡ | 80〜140万円 |
50坪 | 181〜215㎡ | 100〜160万円 |
60坪 | 218〜257㎡ | 120〜180万円 |
70坪 | 254〜300㎡ | 150〜240万円 |
80坪 | 290〜343㎡ | 180〜280万円 |
90坪 | 327〜386㎡ | 200〜300万円 |
100坪 | 363〜472㎡ | 230〜350万円 |
普通の一軒家であれば30〜40坪程度の大きさになりますので、外壁塗装だけで100万円前後の費用が必要になります。
また、外壁と合わせて屋根も同じように劣化しますので、屋根塗装も合わせて行うと20〜40万円程度が上乗せされます。
再塗装は10〜15年に一度行わないと、雨漏りなどを起こして建物の寿命を大幅に縮めてしまう可能性がありますので、該当する年数が経過されている場合は検討されてみてください。
最後に、外壁塗装の業者探しをする場合、少なくとも3社程度から見積りを取得して比較検討することをオススメします。
理由は、数社から話を聞かないと、ご自身の家にかかる費用の相場感、必要な工事の内容が見えてこないからです。
数社話を聞くと、似たような内容ながら業者ごとに特徴が出てきます。
営業マンの対応などを見ながら、良い業者探しをすることに時間を割くことが外壁塗装を成功させる最もな近道になります。
3社も業者を探すのが難しい場合は、一括見積りサイトを活用すると無料でご自宅周辺の塗装業者を紹介してもらうことができます。
当サイトでは、ユーザー目線で考えた時に「プロヌリ」を推奨しています。
プロヌリのメリットは、
・完全無料で3社程度紹介して見積りを依頼できる
・業者との日程調整、お断りなど面倒なことを代行してもらえる
・登録業者は事前に面談して、一定基準をクリアしている優良な業者のみ
逆にデメリットは、
・登録業者を厳選している為、地域によっては紹介してくれる業者が少ない場合がある
(この場合は、ほかの見積りサイトを使えば良いだけです。)
必ず契約をする必要はありませんので、まずは問い合わせだけしてみても良いかと思います。
プロヌリについて詳しくは下記の記事で解説しています。
以上、最後まで閲覧いただきありがとうございました。
この記事が、あなたのお家の外壁塗装をするお役に立てたら幸いです。